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ここ数年の間で生活習慣病の患者が急増し、健康社会はもちろん国民医療費にも大きな影響をおよぼしています。
これを問題視した厚生労働省は様々なガイドラインを作成し、生活習慣病に関する健康診断を義務付ける企業も増えてきました。
生活習慣病は老若男女がかかる病気です。
普段の生活習慣を意識することで、防ぐことができる病気でもあります。
大きな社会問題として、国民一人一人が真剣に取り組んでいく時代がきているのです。

生活習慣病とは?なぜそう呼ばれるようになったの?

ひと昔前まで生活習慣病は、加齢と共にかかる病気と思われていて「成人病」と呼ばれていました。
1955年ごろから厚生省が実際に使い始めた用語です。
その背景には、40~60歳の働き盛りの年代に発症率が高かったことがあります。
主な病気の種類としては、脳血管障害、心疾患、脂質異常、がんなどがあります。

しかし、若者の年代にもこれらの発症例が多くなり、病気の原因が加齢だけではなく生活習慣に大きく関係していることがわかりました。
これを受け1997年厚生省が正式に「生活習慣病」と改称しました。
生活習慣とは、食生活や運動、飲酒、喫煙などの習慣のことを指します。
発展途上の国には発症が少ないことから、「贅沢病」や「国民病」と揶揄した言われ方もします。

生活習慣病と食事の関係

現代社会は、一汁一菜だった昔の日本とは食生活がガラリと変わっています。
和食より洋食の方が食卓に多く並び、魚をとる機会も少なくなってきました。
手軽な惣菜やインスタント食品の種類が多く、外食やデリバリー産業も盛んです。
子供たちはカラフルなお菓子を炭酸ジュースで流し込み、人気のスイーツ店には行列ができています。

食べ物が豊かになると同時に、文明も大きく発達しました。
特に「動かなくてもできるもの」の発達に力と知恵が注がれてきました。
交通網が発達し、車の所有率も高くなり歩く機会が減りました。
テレビのリモコン1つとっても、人が動かなくて済むようになった発明品です。
スマートフォンで欲しいものが家に届く時代です。
便利な社会では、よっぽど意識しないと運動する機会が劇的に減ってしまったのです。

高カロリーな食事と、運動不足による「現代病」でもありますが、生活習慣病の起源は昭和30年ごろまでさかのぼります。
当時から脳卒中、心臓病、がんが「三大成人病」とされ、集団検診による早期発見と治療の体制が整えられていました。
飲酒や喫煙の習慣は昔からあり、むしろ喫煙率は現代の方が下がってきています。

以上のようなことから、生活習慣病の起源は戦後の高度経済成長期から始まり、食や文明の発展と比例しながら患者数を増やしていった病気の総称といえます。
今や、若者から高齢者まで幅広い年代でかかる病気です。
どのようなことに気をつけた生活習慣をおくれば、少しでもリスクを減らすことができるのでしょうか。

生活習慣病患者とそうでない人との違い

生まれた時代を変えることはできませんし、文明社会から離れて生きることはなかなか困難です。
では、同じような条件で生活している中で、生活習慣病にかかりやすい人と、そうではない人がいるのはなぜでしょうか。
生活習慣病にかからないような生活をおくるためには、かかりにくタイプの人の特徴からヒントを得ることが近道です。

生活習慣病を引き起こす要因となるものに、高血圧や肥満傾向があります。
太らないための習慣を身につけることが大切になってくるのですが、生活習慣病ではない人が極端な食事制限を行っているわけでも、ストイックに激しい運動をしているわけでもありません。
日々の生活の中で、自分の身体を守る小さな積み重ねを行っているのです。

飲酒と喫煙

過度な飲酒・喫煙をしないように心がけています。
無理に一切を断つのではなく、たしなむ程度にとどめています。
ストレスや依存症になることから、自分の身を守っているのです。

食生活

荷物を詰めすぎた車の動きが鈍くなるように、自分の身体が快適に動くように見合った量の食事に努めています。
腹八分目にとどめ、食べすぎた日があれば、しばらく質素な食事にするなどして身体への負担を減らしています。
自分の身体がどのくらいの食事をとれば、効率よくエネルギーに変えることができるかを感覚で覚えているのです。

運動です

スポーツに興味がなくても、生活習慣病にかからない人はいます。
買い物に車を使わず徒歩で行くようにしたり、エスカレーターではなく階段を使ったり、家のなかでもゴミ捨てや物の片付けなどにいちいち立って身体を動かしたりなどと、とにかく「ちょくちょく、よく動く」のが特徴です。
必ずしもスポーツジムに通ったり、ランニングをしたりする必要はないので、高齢者でも無理なく続けられる習慣です。

もしも、自分が生活習慣病かなと思ったら、まずはそうではない人の「日常の癖」を観察してみてください。
車でジムに通い、トレーニングの後のご褒美に甘いものを食べているあなたの目に、今日食べる分だけの食材を手に20分離れたスーパーから歩いて帰る友人の姿が映るかもしれません。
自分の身体を健康な状態に保つためのバランスを知っているかいないかが、生活習慣病患者とそうでない人の大きな違いなのです。

今高血圧は若者にも魔の手で襲い掛かってきます

生活習慣病の危険は、今は若者まで広がっています。
生活習慣が乱れた若者に高血圧が増えているのです。
高血圧とは、安静状態での血圧が慢性的に正常より高い状態のことをいいます。
(一般に上が140以上、下が90以上が高血圧の判断基準になります)高血圧になると、血管に負担がかかり、血管の内側が傷ついたり柔軟性がなくなって硬くなり、動脈硬化を起こしやすくなります。
さらにこの状態が進むと、脳卒中や心疾患、腎臓病など重大な病気につながることがあります。

生活習慣病に大きく関係する高血圧は、若者を取り巻く環境と深いつながりがあります。
現代の若者は、幼少期から塩分の多い食生活になじんできました。
親が作る食事にも洋食のレパートリーが増え、小学生から塾に通いコンビニやファストフードで食事を済ませることが多くなりました。
インスタント食品やレトルト食品も昔に比べ格段に種類が増え、驚くほど美味しくなっています。

若者の運動離れも問題になっています。
インドアで楽しめるゲームなどの機器が増え、ITの発展に伴い自分でサービスを受けに行く時代から、サービスが向こうから家までやってくる時代に変わりました。
食生活の変化と運動不足が重なって、肥満傾向の若者が増えています。
肥満により内臓脂肪が増えると、血圧を上げるホルモンが分泌されやすいことが分かっています。

それ以外にも、高血圧にはストレスによる影響も受けます。
ストレスがたまると自律神経のバランスが乱れて、血圧が上昇しやすくなります。
また、高血圧になりやすい体質は、親から受け継ぎやすいといわれています。
遺伝的な要素もありますが、親の食生活や生活習慣が似ていることが一番の原因と考えられています。

重篤になる前に、若いうちから生活習慣を見直す必要があります。
代謝が良いことに甘んじていると、手遅れになってしまいます。
まずは、加工食品や外食の利用を減らし、野菜を多めにとった食生活が大事です。
3食規則正しくとることが前提で、特に朝ごはんを抜くことはやめましょう。
歩く習慣を身につけ、1駅先の駅まで足をのばしてみたり、上りの階段を積極的に利用するなど、身体がポカポカになる感覚を日常生活で実感していきましょう。
ストレスの発散方法は、飲酒や喫煙、ゲームばかりではなく、湯船にゆっくりつかったり、いつもより多めに睡眠をとったりすることで自分を癒してあげてください。

若いうちだからこそ、生活習慣は変えていくことができます。
そして身につけた生活習慣は一生の宝です。
生活習慣病の予備軍にならないためにも、若いうちからの意識がとても大切です。